「虎穴に入らずんば虎児を得ず」という言葉がありますが、これはリスクをまったく顧みない姿勢を意味するわけではありません。
今回は、未出金問題などでたびたび取り上げられ、去年には逮捕者が出たジュビリーエースについて、基本から危険性までをまとめました。
ジュビリーエースやMLMに参入するべきか迷っている人の判断材料になること間違いなしです。
きちんとリスクに向き合うことで、効率良く収入を増やしていきましょう!
ジュビリーエースとは
ジュビリーエース(JUBILEE ACE)とは、投資系ネットワークビジネス(MLM)の会社です。
2018年に設立され、2020年時点で資本金は5500万$(約55億円)です。
本社は中国にありますが、節税のためか、所在地はイギリス領バージン諸島となっています。関連会社にJENCOJENCOやGTR(Globalytics Tech Research)があります。
様々なうわさを聞くジュビリーエースですが、一体どんなビジネスなのでしょうか。
次はその仕組みについて説明します。
ジュビリーエースの仕組み
ジュビリーエースは「アービトラージ(裁定取引)」という仕組みを用いて利益を産出します。
- アービトラージ・・・各取引所の価格差で利益を上げる手法
つまり、低価格の販売所で購入し高価格な販売所で売却することで、その差額分が儲けになるという仕組みです。
また、ジュビリーエースは、紹介による報酬制度を設けており、新たな投資家を勧誘することで報酬が還元されるシステムになっています。これがジュビリーエースがMLM(マルチ商法)に分類されるゆえんです。
ジュビリーエースの実態
月利20%もの報酬が得られるとして人気を集めてきたジュビリーエースですが、2020年9月にプログラムに問題が見つかり、突然出金が不可能となったことで注意喚起が行われるようになりました。
そして2020年11月には公式にジュビリーグループの全ての事業およびサービスの停止が発表されました。ジュビリーグループの全てのサービスからの入出金が不可となり「投資詐欺だ」「飛ぶのでは」などといった声もあがるようになりました。
ジュビリーエースの被害
2021年11月10日、国の登録を受けずに暗号資産(仮想通貨)の運用への出資を募ったなどとして、金融商品取引法違反(無登録営業)の疑いで7人が逮捕されました。
これは、ジュビリーエースを名乗る会社による事件でした。
ある被害者の男性は、参加したセミナーで海外で豪遊する写真が掲載されたFacebookを見せられ心を動かされ、110万円を指定口座に振り込んでしまいました。
しかし、その後出金ができなくなり、出金の申請をしても「処理中」と表示されるだけになりました。
そして、これと同じような被害に遭った人が多数います。
これらの件で、投資会社員、無職、職業不詳などの29歳から60代の7名が逮捕されました。
仮想通貨の運用などで必ずもうかると宣伝し、「マルチ商法」を展開し、若者を中心に全国から約650億円を集めたとされています。
中でも玉井暁はマルチのカリスマ”という異名を持ち、これまでに数々のマルチ商法で成功してきた人物だということもあって、この事件は波紋を呼びました。
裁判
この事件の裁判で、リーダー格であった玉井暁に対し、懲役2年6月、罰金300万円で執行猶予5年の判決が下りました。
しかし玉井氏には、過去に所得税法違反(いわゆる脱税)の前科があり、ジュビリーエースで650億円のお金を騙し取り、大量の被害者を生み出したにも関わらず、罰金300万円に執行猶予まで付くのは甘すぎるのではといった声もあります。
ジュビリーエースの現在
出金不可やサービス停止、上記のような事件まで引き起こしたジュビリーエースですが、現在は一体どのように運営されているのでしょうか。
公式発表:【2022 年 5 月版】JA・JENCO に関するアップデート (2022年5月30日作成)
2022年5月30日に2022年5月版の状況報告書が作成され、公式サイトに発表されました。
以下は報告書の一部抜粋です。
AQN の価値向上に関しても現在着実に進行しております。 また、USDT での出金開始は今年の第三四半期(7〜9月)ごろを目標に計画を進め ております。 現在、取引業者との訴訟中であり、大半の資金が取引業者内の口座に残っているた め、AQN 以外の出金を一時停止しております。 元々は「お金を働かせる仕組み作り」をテーマに会社を立ち上げました。 今も会社の残りの資金などを活用しており、その増えた資金を USDT 出金の資金に 充てていく所存です。 様々なご意見があるかと思いますが、皆様の資金を間違いなく手元にお戻しできるよう今後も精進して参りますので、今後の発表や進展をお待ちいただければ幸いです。
AQNとは、アクアナイトの略称で、ジュビリーエースが発行する独自の仮想通貨です。
USDTは、ジュビリーエースのJencoと呼ばれるサービスで使用されている暗号資産のことです。
つまり、現在は、このAQNのみでの出金が可能となっており、USTDでの出金開始は7〜9月が目途となっているようです。
ジュビリーエースの評判
Twitterの投稿を見ればジュビリーエースの評判がわかります。
もし騙されて絶望してる人がいたら、何としても生きてほしい。つらいけど、生きてほしい。リベンジが待ってる。#ジュビリーエース#PGA#マイニングエクスプレス#GXTT#vyvo#ポンジスキーム#詐欺師殲滅
— 詐欺師殲滅集団るんるんた (@runrunta3) June 5, 2022
@kishida230 現在話題のエクシア、公判中のジュビリーエースなど、はじめから逮捕覚悟で暗号資産に数十億隠し持っている可能性が高い。今後も同様の手口が増える。これを防ぐ方法は皆無。唯一あるのは暗号資産の価値はさせる事。早急に暗号資産に厳しい規制と啓蒙活動をNFTなんて言ってる場合じゃない
— なんでエクシアが金商業者?正気か?金融庁 (@kumazawakenji) June 4, 2022
⑧最初から #ネズミ講🐀では
ありません#ビットコイン #マイニング
などから始まり
末端になるにつれ #無限連鎖講 に
変化していきます
なので…
儲かってる人が実際に居て
セミナーなどで武勇伝を語る儲からないから紹介するのです
洗脳されれば
親友もカモ#ビットクラブ#ジュビリーエース— あみだにょらい (@_DEVILSIDE) June 8, 2022
このように、Twitter上では概して批判的な意見が多く見つかります。
やはり、ある程度の危険性が付きまとうことは確かなようですね。
MLMの注意点
今回はジュビリーエースをメインにご紹介しましたが、これに限らずMLMは性質上、合法なビジネスと、そうでない「危険なビジネス」の側面を持っているようです。
次は、そんなMLMに取り組む際に注意すべき点をご紹介します。
①ねずみ講との違いに注意
MLM(マルチ商法)は特定の条件を満たし、合法的な連鎖販売取引が承認されると日本でビジネスとして認められるのに対し、不法に似たビジネス形態をとるのが「ねずみ講」です。
しかし、ねずみ講は商品を介さず、入会費だけで利益をあげる仕組みで成り立っており、「無限連鎖講」と呼ばれ法律で禁じられています。
一歩間違うと犯罪になりかねないので、違いを理解しておかなければなりません。
②MLMの難しさ
MLMに勧誘する側は楽に稼げるといって誘ってくるのが常套手段です。
しかし、実際にはMLMは、なかなか上手くいかないものです。
特に、顧客を獲得しネットワークを拡大するのが難しいのです。
③人間関係の破綻
MLMの難しさは、顧客獲得にあります。
それゆえに、どうしても新たな会員を獲得できなかった場合に、身近な人を勧誘するようになります。
しかし、それがきっかけとなって家族・友人・知人関係が壊れてしまうこともよく耳にします。
実際に、友人に勧誘されて断ったところ関係が悪くなったという声があります。
④犯罪行為に巻き込まれることも
MLMにおける勧誘行為、商品の販売行為自体は法的に問題ありませんが、
半ば強引に商品を買わされたり、(合法性を装って)違法なことに巻き込まれたりするといったケースもあります。
自分でも知らない間に詐欺行為に加担しているのは恐ろしいですね。
終わりに
「世の中そんな甘いことなんてない」
これは全てについて言えることですが、ジュビリーエースやMLMについては特に心に留めておく必要があります。
勧誘者は自分たちにとって不都合な内容は話しません。迷ったときは、一度疑ってかかってみて、独自の方法で情報を探ることが重要です。
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